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どこかで聴いた様なメロディ、
冬にしか流行らないタイプのやつだ。
愛する さみしい 忘れないで 夢 時
思い出すでしょう 運命 温もり あなた
似た様なフレーズ、毎年見た目を変えただけなのに何故みんなは聞くのだろう。
それは共通する普遍的な経験、感情を歌っているからなんだろうけれど。
恋、愛、レンアイ、
女性ボーカルの声が高く響く。
閑散とした清潔な部屋に差し込む西日が心地良い。
大学で授業を待つ時間、それでもなりきれないのは、ここに空気がないからだろう。
私の空気。
自分にそぐわない雰囲気は人を落ち着かせない。私はぐったりと倒れこむ。
だんだんオレンジ色が退いていく。あたたかい時間は消え、代りに美しい冷たさが私を犯し始める。
遠くのほうで、チャイムが鳴った。
デパートでバイトしていると、嫌というほど人と接して、彼らの自意識に触れてしまう。
だから、わたしはおばあちゃんやおじいちゃんが好きだ。
何も期待しない、あの目と雰囲気が私を落ち着かせる。
若さから来る過剰な何かが、私はとても苦手なのだ。
サンプルNo.1 女性・OL・推定26歳
サンプルNo.2 女性・学生・推定18歳
サンプルNo.3 男性複数名・高校生・推定17歳かそこら
サンプルNo.4 男性・会社員・28歳
サンプルNo.5 カップル・同じ会社の社員同士・24歳と27歳
こんなふうに脳内サンプリングばっかりしているから契約がひとつもとれずに、困っているのだけれど。
ふぅーっと、火薬のにおいが薫った。
向こうの方を見ると、まちの明かりのなかから、ばーん!と大きい花火が上がっている。
今日はお祭りの最終日だ。
バイトを終えて研究室に行ったが、誰もいなかった。
図書館のフロア(ここも誰もいなかった)にいって本を探していたら、
狂おしいほどの懐かしさ、もの恋しさがあふれ出してきて、止まらなかった。
古いほんの香り、それらが私を刺戟したのだろう。
かえりみち、買い物をした帰りの空気があったかくて。
余計に泣きそうになった私は、鼻歌を歌いながらあるいた。
♪オオカミなんか、こわくないー こわくないったら こわくないー・・・
すれ違うおとこのこ、おんなのこ。
みんなこどもに戻れたらきっと楽しいだろうなと想像して、
ちょっとしあわせになった。
ブログ開設最長記録。
忍者なめてたわ・・・
とまれ、テスト。
記憶の向こうで、青い血が流れた。
もう6年も前のことだ。
夜も更けた時間、私の目に、ただ、画面の中の白い人たちが必死に誰かを追いかけているのが写った。
そのフランス映画は白い一族の話で、血統を守るためには或る2人の人間が必要であり、その2人が一族から逃げ回って結局は一族が青い血を流して死んでしまう、というストーリーだった。
途中で瓶底眼鏡をかけた日本人が出てきた。彼は2人の主人公にからかわれ、可哀想に眼鏡を奪われて何もできなくなってしまった。
慌てる老人。逃げる二人。青い血を流す人々。殆ど非現実的。
もう随分前からきちんと時間を刻んでいなかった私の頭は、画面の向こうの世界を身近に感じた。
しかし、どちらにしろ同じ事。
ここはどこでいつなのかということは余り重要ではなく、ここはここで今は今なのだった。
それまで一緒にとりとめのない話をしていた弟は床に倒れ眠っていて、
かれの寝顔を見ていると、何だかその瞬間が貴重な時間のように思えた。
明日も学校。とりあえずもう四時。
私はこの世界を愛している。
我に返ると、6年前とは違う世界が広がっている。
殺風景な部屋に、1人で。
それでも私は同じようなことを繰り返している。
予定は詰まっていて、やるべきことも詰まっている、しかしそれらは何の役にも立っていないようだ。
仕方なくオーディオのスイッチをひねる。
偶然にもカセットテープからは、ミスティが流れた。同じくらい昔に聴いていた曲。
涙が出たけれど、泣いているとは感じなかった。感情が押し寄せてきたけれど、それがどうしてなのか、またどこから来ているのかはよくわからなかった。ただ、切ない。
しばらくすると、しめっぽい曲調がガラッと陽気な音楽にかわり、Day by Day が流れてきた。
今度は一変楽しくなってしまって、泣きながら笑った。
悲しいわけでもないし、楽しいわけでもない。
ただ、なんだかこの瞬間がやっぱり貴重な時間のように思えるだけ。
明日も休日。とりあえずもう四時。
私はこの世界を愛している。